胆嚢
(胆嚢結石症、胆嚢腺筋腫症、胆嚢ポリープ、胆嚢癌、急性胆嚢炎)

胆嚢は腹部の右上、みぞおち近くにある臓器です。肝臓で作られた消化液である胆汁を一時的に蓄える働きがあります。

胆嚢結石症(胆石症)

胆嚢の中に石ができる病気です。無症状のことが多いのですが石かあることで痛みが出ることがあります。特徴的なのは食後の腹痛ですが、場合によっては腰の痛み、右肩の痛みと感じることがあります。石が胆嚢の出口に詰まると胆嚢内に膿が貯まる急性胆嚢炎となることがあります。また、長年に石があると胆嚢の壁が分厚くなるなどの慢性胆嚢炎となることもあります。治療法には食事療法、薬物療法、手術があります。

急性胆嚢炎

胆嚢の中に膿が貯まることで痛みと発熱が生じます。石が原因のことがほとんどですが、まれに石のないタイプもあります。放置すると胆嚢内の菌が全身に回ることや、胆嚢が破れて腹膜炎となることもあり、早期の治療が必要となります。治療法には抗菌剤の使用による保存的治療と手術による摘出術等があります。

胆嚢腺筋症

慢性胆嚢炎によって生じる病気です。胆嚢の壁の一部もしくは全体が分厚くなります。胆嚢癌との見分けがつきにくいケースがあります。

胆嚢ポリープ

胆嚢の袋の内側からできる腫瘍です。小さいものは治療の対象となりませんが、10mmを超えると次に記載する胆嚢癌の可能性があるために切除することが必要です。

胆嚢癌

胆嚢の袋の内側からできる癌です。早期のうちに手術を行えば完治する確率が高い疾患です。

手術

当院では手術の対象となる胆嚢の疾患に対して基本的には単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を行っております。通常の腹腔鏡下胆嚢摘出術は4箇所の小さな穴を腹部に開けて胆嚢を摘出しますが、単孔式腹腔鏡下手術の場合は臍の1箇所のみが傷痕の分かる傷になります。もう一箇所は2mmほどの刺し傷が必要ですがこちらは数日すると傷痕は分からなくなります。