診療科の紹介
京都九条病院脳神経外科は、脳神経外科専門医3名の常勤医と2名の非常勤医で、24時間体制で脳卒中・頭部外傷を中心とした脳神経外科救急医療に携わっています。まず大きな診療の柱は、脳卒中センターを中心に行われる脳卒中の急性期治療です。急性期脳梗塞治療の大部分は内科的治療ですが、脳主幹動脈閉塞を伴った超急性期脳梗塞については、アルテプラーゼ(tPA)静注療法といった内科的血栓溶解療法に加え、積極的にカテーテル治療(血管内治療)による急性期血行再建術を行い、患者さんの生命予後のみならず機能予後を改善するという成果をあげています。また、くも膜下出血については、開頭手術によるクリッピング術や、カテーテル治療による脳動脈瘤塞栓術など患者さんの状態に合わせて選択・実施し、術後集中治療を行うことによって救命率をあげています。脳内出血については、患者さんの状態に応じて、保存的治療、開頭血腫除去術や定位的脳内出血除去術を行っています。
もうひとつの大きな柱は、重症頭部外傷の治療です。重症頭部外傷は一刻も早く手術を行うことが重要です。その後、頭蓋内圧や脳温など全身管理をしながら、生命予後・機能予後の改善を目指し、神経集中治療を施工しています。 現在当院は日本脳神経外傷データバンク登録施設として、全国20施設の中に参加しています。
また急性期よりリハビリテーション科と連携し、早期からリハビリテーションを実施し、機能の改善をはかり在宅復帰を目指します。
その他、無症候性内頚動脈狭窄症や未破裂動脈瘤などに対する開頭手術やカテーテル手術、良性脳腫瘍、頭蓋底腫瘍などの腫瘍性疾患、顔面けいれんや三叉神経痛などの機能性疾患に対しての外科的治療等、脳神経外科一般の多くの疾患に対し治療を行っています。
脳神経疾患でお困りやお悩みの際には、当科外来にて、いつでもご相談を受け付けておりますので、お気軽に受診して下さい。
*当院は京都府立医科大学脳神経外科の研修(連携)施設です。
外来表
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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午前 (9:00~12:00) |
山木 | 西井 (脳神経外科・脊椎脊髄外科) |
平井 | 榊原 | 橋本 榊原(9:00~11:00 再診のみ) |
平井 | - |
予約診 | - | - | - | 梅林 (脊椎脊髄外科) (14:30~16:30) |
- | - | - |
夜専門外来 (17:30~20:00) |
- | 平井 (17:30~19:30) |
- | 榊原 (18:00~20:00) |
- | - | - |
担当医
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平井 誠(脳卒中センター長)
専門 | 脳神経外科 |
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資格・所属 | ・日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医 ・日本脳卒中学会 脳卒中専門医及び指導医 ・日本脳神経血管内治療学会 脳神経血管内治療専門医 ・日本救急医学会 救急科専門医 ・身体障害者福祉法指定医 ・兵庫医療大学 非常勤講師 |
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山木 垂水(名誉院長)
専門 | 脳神経外科 |
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資格・所属 | ・医学博士 ・京都府立医科大学 脳神経外科 客員教授 ・京都府立医科大学 救急医学 臨床教授 ・日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医 ・日本救急医学会 救急科専門医 ・日本脳卒中学会 脳卒中専門医及び指導医 |
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榊原 毅彦(非常勤)
専門 | 脳神経外科 |
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資格・所属 | ・日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医 ・日本救急医学会 救急科専門医 ・京都府立医科大学脳神経外科 臨床教授 ・身体障害者福祉法指定医 ・インフェクションコントロールドクター(ICD) |
緊急時にもすぐに対応できる 体制を整えています。
脳神経外科では、脳卒中(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血など)や頭部外傷などの救急疾患をはじめ、脳神経外科全般の診断・治療を、脳神経外科専門医が24時間365日即応体制で行っています。
脳血管内治療や脳動脈瘤クリッピング術、脳内血腫除去術などの緊急を要する開頭手術も昼夜を問わず行っているほか、脳卒中、頭部外傷に関してもCT・MRI検査、手術が可能な体制を整えています。
また、重症の患者さんにおいては体温(脳の温度)の上昇を抑える脳温管理治療や脳の機能保護をする治療を行い、可能な限りの機能回復をはかることに努めています。
さまざまな部署・施設と連携し、 早期の社会復帰・家庭内復帰に取り組んでいます。
また、リハビリテーション科や介護事業センター、訪問看護ステーションと連携をとって早期の社会復帰や家庭内復帰に取り組んでいることも特長のひとつです。
これらの治療法の成果は多くの学会で発表し、高い評価を得ています。
センター機能
脳卒中センター
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京都九条病院脳卒中センターには、脳神経外科常勤医師3名(全員が脳神経外科専門医、1名は脳血管内治療専門医)と脳神経外科非常勤医師(京都府立医科大学 脳神経外科)数名に応援を頂き、24時間体制で脳卒中診療を行っております。
脳卒中の外科的治療には、大きく分けて開頭手術とカテーテル手術(血管内手術)がありますが、当院は両方の療法に技術を有しており、患者さんの状態・症状に合わせた最適な治療法を選択・実施し、生命予後・機能予後の改善を目指した治療を提供しています。例えば、重症くも膜下出血の治療において、開頭手術によるクリッピング術やカテーテル治療による脳動脈瘤塞栓術など高度な技術を必要とする治療を行うことによって、生命予後・機能予後の改善を目指しています。
特に、近年高齢化により増加傾向である心原性脳塞栓症の治療では、いち早く血栓溶解療法+カテーテル治療を導入しており、これにより生命予後のみならず機能予後も改善する成果をあげています。この心原性脳塞栓症の治療では、全国的に見てもかなり高い水準の治療を提供しており、地域の皆様のお役に立てていると自負しております。
設備・環境のご紹介
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診断精度が高く、迅速、安全に検査を受けられるように、最新のアンギオ装置を導入しています。脳梗塞発症後8時間以内の患者さんに積極的に血管内治療を行っています。
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経験豊富な脳神経外科の専門医と麻酔科医、手術室スタッフが協力し手術を行っています。
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脳卒中の超急性期治療、術後の管理は集中治療室が担当します。
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入院間もなくから脳卒中患者さんの治療経験豊富なスタッフが担当し、責任をもって退院までリハビリテーションを行います。
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急性期治療だけではなく、地域医療にも力をいれています(地域包括ケア病棟)。多職種で協力、患者さんを取り巻く地域の方とも連携をとり、自宅復帰を支援します。
脳卒中ケアチーム
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毎月1回チームメンバーが集まり、各部署の活動状況を確認します。スタッフへの教育や事例検討、市民講習会の企画などを行っています。救急対応に必要なマニュアルの整備なども行っています。
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チームは、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、医療ソーシャルワーカーで構成しています。毎週チームで病室を訪問し、患者さんの状況を把握、情報共有しています。
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毎週脳卒中ケアチームが参加し、病棟看護師とカンファレンスを行います。治療方針、転帰の方向性の確認、患者さんがかかえる問題点について一緒に考えて解決策を提案します。
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毎年1回、1階ロビーで市民講習会を行っています。脳卒中再発予防を中心に、テーマを決めて講師を招き勉強します。内容はできるだけ分かりやすい内容にしています。質問も可能です。お気軽にご参加ください。
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チーム内ではセンター長が講師になり毎月急性期の事例研修を行っています。脳卒中診療に関わるスタッフに対し、疾患や脳卒中患者さんの看護について計画的に研修を行っています。
診療をするにあたり大切にしていること
・迅速で的確な診断
・最良で適切な治療
・患者さん、ご家族との信頼関係
超急性期脳卒中・重傷頭部外傷など脳神経外科救急医療から、亜急性期・慢性期まで、病院全体のチーム医療で質の高い医療を提供できるように心がけています。患者さんの症状・状態に合わせた適切な治療法(内科的治療・開頭手術・カテーテル手術)を選択できるようにしています。
また予防的治療についても、脳梗塞を引き起こす内頚動脈狭窄症や、くも膜下出血を引き起こす未破裂動脈瘤など予防的手術が必要となる患者さんの治療や、脳卒中再発予防のための生活習慣病の改善など、安全で適切な治療を提供できるように心がけています。