がん化学療法委員会

がん化学療法とは

 点滴や飲み薬の抗がん剤を使って治療する方法です。抗がん剤は直接がん細胞を攻撃したり、がんに栄養を運ぶ血管を作らないようにしてがんの勢力を弱めたりと、いろいろな方法でがんが増えるのを邪魔して、がんが死滅する、小さくなる、成長が遅れるなどの効果が期待できます。一方、がん細胞だけでなく正常な細胞が増えるのも邪魔するために副作用が起こります。
 最近は治療の薬だけでなく、副作用を和らげる薬(支持療法薬)も進歩して、仕事や家事などの日常生活と治療を両立できるようになってきました。初回は入院で点滴治療を行い副作用の有無を確認して、異常が無ければ2回目から通院で点滴治療ができます。

治療の間隔と期間

 抗がん剤を投与した後は、休薬して体力を回復させるというスケジュールを繰り返します。治療の間隔は、1~3週間に1回点滴治療して2~3週目は休みなど、がんや薬の種類によって異なります。
 治療期間は、術前・術後化学療法は決まっていますが、進行・再発期間は期間が決まっていないので、効いている期間は体力などをみながら継続することが多い現状です。

外来化学療法室

 通院で抗がん剤の点滴治療を受けられる方専用の場所です。初めて利用される患者さんには、化学療法室でオリエンテーションを行い、治療の流れを理解されたうえで受けて頂けるようにしています。抗がん剤点滴は2時間以上かかる場合が多く、患者さんがより快適・安全・安心に、治療が受けられる空間として開放的に、リラックスできるように心がけています。専属の看護師が見回りますので安心して休んで下さい。

 点滴中は軽い飲食や、ご家族の付き添いも可能です。ご自分の楽な姿勢で受けることができて、歩いてトイレも行けます。また、持ち込みで本や雑誌、イヤホン装着し音楽やラジオを聴くこともできます。
 病状や治療の不安や生活面等でお困りのことがあれば何でも相談してください。

外来化学療法実施の流れ

受付

 再来機で受付をして化学療法室の前でお待ちください。
(血液検査が先にあります。9:00に来院ください。)

問診

 看護師が前回の治療後の体調を確認し血液検査、血圧、体温、体重測定します。

診察

 医師が診察し、検査結果や体調などに問題がなければ、実施の指示を出します。

化学療法

 実施の指示を受けて、薬剤師が注射薬を調製し、点滴治療を開始します。
 点滴中は常に看護師が様子を見守り、薬剤師がお薬の説明や副作用、服薬状況の確認に訪れます。
 また、管理栄養士が栄養指導に訪れます。各専門職が体調や日常生活、お薬、お食事についての相談をお受けしますので、気軽にお声かけください。

会計

 飲み薬がある方には院外処方せんがでますので、院外の調剤薬局でお受け取り下さい。
 薬局は患者さんのご都合で自由にお選びいただけますが、かかりつけの薬局を持ち、1か所にまとめられることをおすすめします。

 ※治療に用いた薬の内容や体調、副作用の状況などを記したラベルをお薬手帳に貼ってお渡ししています。薬局や他の医療機関をご利用の際には必ずお見せください。

患者さんとご家族が、安全で質の高い治療ができるように多職種がチームを組んでサポートします。

 外来化学療法は、入院から通院へと治療が移行します。そのため入院に比べ医療者が側にいない、自分で判断しなければならない事が多くなります。ご心配なことは、できるだけ早期に解決できるよう一緒に考えさせていただきます。安心して治療生活を送っていただけるよう、チームで協力し取り組んでいきます。

保険薬局ならびに他の医療機関のみなさまへ

◎当院採用化学療法レジメンはこちらよりご参照ください。

◎レジメンに関するお問い合わせや情報提供の際は下記までご連絡ください。
 京都九条病院薬剤部:がん化学療法担当薬剤師
  TEL(075)691-7121(代)
  FAX(075)681-1543(薬剤部直通)

◎なお、服薬期間中の服用状況や副作用に関する情報提供には京都府病院薬剤師会の「フォローアップシート」をご活用ください。
 その他、緊急性のない処方内容に対するお問い合わせや情報提供には京都府病院薬剤師会の「トレーシングレポート」をご活用ください。
 各様式は京都府病院薬剤師会ホームページより入手できます。
 https://www.kyotofuyaku.or.jp/khp/pharmacy/