新型コロナウイルス感染症につきまして/『大阪コロナ重症センター』にICUナースを1名派遣いたしました。
京都府においても新型コロナ感染症の状況が、いよいよ拡大してまいりました。京都府の14の重症対応病院が、医療のひっ迫を訴える声明を出しました。このような状況ですので、少しでも安心していただくために、当院の状況をお知らせしたいと思います。
〇当院では、令和2年4月1日より、計200名以上の軽症、中等症の新型コロナ感染患者さんの受け入れを安全に行ってまいりました。
すでにお知らせしてきたことですが、これは京都府下では1、2位の受け入れ患者数です。
この間、一例の感染事故もなく安全に運営しています。病院本館とは別の別棟に壁を新設した完全隔離の専門病棟を整備し、専門職員を配置しています。皆さんへの感染の恐れはありません。
〇当院は理念に従ってこれからも判断していきます。
その理念とは
『当院の地域における使命は、このコロナ下において、一般の患者さんを感染から遠ざけ、通常の医療を安定して提供し続けること』 です。
当院は感染症対応病院ではございません。特段の活躍を期待されているわけでもありません。しかし、当院の患者さんや職員が重症のコロナ感染者となったときに、重症感染者対応病院で診てもらうためには、軽症や中等症患者を積極的に引き受けて、重症者病院の病床を空けなければなりません。一見矛盾するようですが、感染者の受け入れをすることにより、地域の皆さまを感染から守ることになると考えております。そのために、できる範囲のことをしてきたことが、突出した成果となりました。
実際に、当院の入院患者さんは、症状悪化に際して、極めてスムーズに重症対応病院への転院を手配でき、皆さん大事に至らず回復されています。
〇またこの度、話題になっています『大阪コロナ重症センター』にICUナースを1名派遣いたしました。
京都からは大学病院の看護師と当院の看護師の2名が出向しました。当院も非常に人員不足の状況ではございますが、いずれ大阪に助けてもらわないといけない事態も想定されますので、当院として助け合いの人的なネットワークを作ることに、地域を守る上でも意味があると考えました。
また、この看護師は重症専門病院での経験を積んで戻ってまいりますので、その経験が将来必ず、患者の皆さんのお役に立つと判断いたしました。
〇当院では、新型コロナ感染症への対応のノウハウが蓄積されました。
現実に患者さんに対応するなかで、経験しないとわからないようなことが、実力として蓄積されてきたことを感じます。現在は、これから対応を始める病院への指導なども行っております。
〇院内感染を完全に防ぐことは不可能です。しかし、当院は、院内感染に対し、必ず適切に素早く対応いたします。
京都市内の複数の病院で、院内感染が相次いでいます。現在の状況では、いつどこで感染が起こるかわからないと言えます。しかし、当院では、これまでコロナウイルスに対する豊富な経験を生かした対応能力があります。院内感染を認めました場合は、ただちに感染拡大を食い止める処置を適切に行い、また、感染状況と対応状況を遅れず公表いたします。
〇どうか安心して治療に専念してください。
このような状況ですが、最大限、安全に一般診療を継続できるよう、努力を続けて参りますので、コロナのことは任せていただいて、どうか安心して治療に専念してください。
みなさまには、入院患者さんへの面会禁止など、多大なご迷惑をおかけしておりますが、こちらにつきましても、何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。
京都九条病院 院長
松井淳琪